最近ツイッターで「アメリカの金利が上がってきたからそろそろ暴落が来る!」なんていうコメントをよく目にするようになりました。
確かに最近アメリカの長期金利は上昇傾向にありますね。

ただそもそも、金利って普段はなかなか意識しないと思いますし、よくわからないと思います。
そこで今日は、なぜ金利が上がると警戒が必要なのか。金利が上がることによる影響をサクッとまとめたいと思います。
それでは、よろしくお願いします。
•金利が上がるとは?
金利が上がるとは債券の価格が下がるということを意味します。
つまり債券の人気がなくなって、みんなが持っている債券を売ってしまう。
そのため金利が上がります。
債券の人気がなくなる理由は色々あります。安全な資産とされる債券を売ってリスク資産を持つために売るという強気の売りもありますし、
その国の信用が下がったため、返済への不安から債券を売るという弱気の売りもあります。なので、一概には言えません。
ただ、今起きてるアメリカの長期金利の上昇はどちらかというとコロナで国債を刷りまくっていることによる信用不安的な要素が強いのかなと思っています。
•金利上昇の影響
では、金利が上がると株価や景気にはどのような影響を与えるでしょうか?
まず頭に入れておいて欲しいのは
金利上昇は基本的に景気にマイナスに働く
ということです。
それは、以下のような理由です。
•設備投資の減退
まず、金利が上がるとはお金を借りる時の利子が上がります。そうなれば企業の資金調達のコストが上がりますので、企業の設備投資の意欲が下がります。
「いまは利子が高くつくから、借金して工場作るのはやめておこう」となるわけです。
そうなればお金の回りは鈍くなりますので、景気にはマイナスです。
•個人消費の減退
また、個人消費にもマイナスに影響します。
住宅ローンや自動車ローンなど大きな買い物をする際の金利が上がるからです。支払いが大きくなりますので買い替えを控えたりする人が増えてきます。
当然景気にはマイナスです。
•株価にもマイナス
というわけで、金利が上がると個人も企業も消費や投資を控えるようになります。なので、企業の業績は悪化し株価にもマイナスに働きます。
なので、金利と株価はトレードオフの関係だと言われているのです。
•低金利政策
現在、各国の中央銀行が低金利政策を打ち出していますが、その理由はもうお分かりかと思います。
金利が上がると個人にも企業にも株価にも悪影響が出るので、金利を無理矢理低く抑えるため、中央銀行が大量の国債を購入しているというわけです。国債を大量に買えば、国債の価格が上がりますので金利は下がりますからね。
そうやって金利を下げることで、みんながお金を借りやすくして景気を下支えしています。
•金融業とってはプラス
一方、業種によっては金利高によって業績が改善するところもあります。その筆頭が銀行や生保などの金融業です。おかねを貸す側ですので、金利が高い方が利益が出ます。
逆に低金利がずっと続いている状態ですとなかなか利益は出ません。地銀が苦しいと言われているのはことためです。
•通貨にもプラス
金利が上昇すると、その国の通貨の価値もあがります。その通貨を持って預金すれば、もらえる利子が増えるからですね。
現状もアメリカの金利が上がったことで、円安ドル高にふれています。
ただ、通貨に関しては他の国の金利なども複雑に絡んでいるので、一概には言えないケースも多いです。例えば、アメリカの長期金利が上がるとつられて日本の長期金利も上がって、結局ドル円は動かず、みたいな場合も多いです。
•本当に警戒が必要な水準なのかはよく考えて
さて、見てきたように金利の上昇は確かに景気にマイナスです。従って警戒が必要だと思います。
ただ、ではどれくらい金利が上がれば警戒が必要なのか?それは誰にもわかりません。
私は正直、今の金利水準がそんなに警戒が必要なラインとは思ってないです。僅かな金利上昇にビクビクしていたら、それこそいつまで経っても株に投資できません。たとえ金利があがろうが、定期的に積み立てていくことこそ大事だと思います。
ちなみに米国金利の長期チャートは現在こんな感じです。これを高いと見るか、まだ低いと見るか。
あなたはどう思いますか?

というわけで、今日はここまで。
この記事が皆さんの参考になれば幸いです。
それでは!